ごあいさつ
第28回日本心不全学会学術集会
会長 佐藤 直樹
かわぐち心臓呼吸器病院
第28回日本心不全学会学術集会を埼玉県大宮ソニックシティにて開催させていただきます。心不全はすべての循環器疾患にかかわり、慢性腎臓病や慢性呼吸器疾患を代表とした様々な臓器と連関し発症・悪化をきたします。さらには癌治療後の心機能低下やCOVID19感染を契機に心不全発症・悪化も問題となりました。これから益々増え続ける心不全は、平成30年公布された脳卒中・循環器病対策基本法とそれに基づく厚生労働省の循環器病対策推進基本計画の中でも重要疾患として取り上げられております。こうした背景を踏まえて当学会の役割はますます重要さを増しています。このように重要な疾患群である心不全について広く議論する場としての学術集会を担当させていただく機会をいただいたことを大変光栄に思っています。当学会学術集会の参加者数も年々増加傾向を示し3000人を超える規模になってまいりました。一方で、一般市民の方々には心不全の認知はまだまだ十分に浸透しておらず、特に欧米に比して本邦は遅々として啓発が進んでいない現状があります。従って、広く門戸を開き情報共有とディスカッションできる場として学術集会を開催させていただきます。
本学術集会のテーマは、”原典に帰れ! - STANDING ON THE SHOULDERS OF GIANTS-“とさせていただきました。心不全の病態解明、診断技術、そして治療法の開発すべてが先人たちの築き上げた土台に立つものであり、それも踏み台にして新たな挑戦へと進むことができるのだと思います。このテーマを鍵として、この学術集会では世代を超えて広く情報共有・議論できる場の提供と心不全に関連するupdate情報共有可能なプログラムを企画していきます。医療に関わるすべての関係者の皆様のご支援なくしてこの目的は達成しえません。ぜひとも本学術集会の主旨をご理解いただき、ご支援を賜りたいと存じます。ご高配のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。